第7回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO2025) 出展資料請求 [無料] 会期 2025年 6月 18日(水)・ 19日(木)・ 20日(金)・ 21日(土) 会場 幕張メッセ

  • 会期 2025年6月18日(水)・19日(木)・20日(金)・21日(土)
    10:00〜17:00(最終日21日のみ16:00まで)
  • 会場 幕張メッセアクセス
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ICTの普段使いでDXを推進
地域建設業の〝はじめの一歩〟を支援
CONTACTで自治体と連携 〝楽コン〟テーマに情報発信

  • 株式会社 トプコン
  • 代表取締役社長 CEO
  • 江藤 隆志

トプコンの代表取締役社長 CEOに、ポジショニング事業をけん引してきた江藤隆志氏が就任した。日本へのマシンコントロール導入の礎を築き、生産性向上の入口として誰でも杭打ち作業を行うことを可能にした『杭ナビ』(LN-150)を手掛けた実績を持つ江藤社長 CEOは「デジタル技術を〝普段使い〟することで自然にイノベーションが起き、生産性が向上する」とDXのポイントを語る。CSPI-EXPOの出展コンセプトと、同社が描く建設DXの将来を聞いた。

トプコンが展開するポジショニング事業の概要を教えてください

当社は測量機の国産化を目的に約90年前の1932年に設立され、創業以来、精密光学機械である測量機や眼科向けの医療機器を中心に事業を展開してきました。独自の光学技術に機械と電気技術を融合させたオプトメカトロニクスで、時代の変遷とともに電子化、デジタル化し、現在測量機は精密に3次元のデータを計測できる機械へと進化してきました。

現在ポジショニング事業は、土木、建築分野へと事業領域を拡大していますが、その契機となったのは当社がローテーティングレーザーを開発し、測量の事業領域から土木分野への進出を進めていた際に、建設機械の自動施工技術を開発した米国の技術ベンチャー企業をM&Aしたことに遡ります。1994年のことなので約30年前の話となります。当初は2次元のマシンコントロールシステムで、ローテーティングレーザーを活用し水平方向の高さを検出し現場を整地していましたが、当社の自動追尾トータルステーションの技術と融合させることで、建機の3次元自動制御の開発に成功し、さらに、2000年にはGNSSの技術を持つ企業を買収する事により、現在のマシンコントロール(MC)システムの姿へと進化しました。

私自身、トプコンに入社する前は建設会社で働いていました。その頃はロボットを現場で使うのは鉄腕アトムでもできない限り無理だと思いましたが、今はそれに近いところまで技術が進歩しています。30年ほど前までは、GPSも日本で観測できるのは1日1時間程度で、観測が必要な時にリアルタイムで使うことはできませんでした。加えて値段も高価で、取り扱いが難しい製品でした。

今でこそGPSの利用範囲が広がり、現在はi-Constructionが普及し、各建設機械メーカーがGPSを採用したICT自動化施工システムを採用していますが、開発当初は建設会社と実証実験を進めながら試行錯誤の繰り返しでした。

建設現場では、全ての建設構造物は決められた位置に決められた仕様、設計に基づいて作業する必要があり、正確な位置情報が重要になります。測量機器メーカーとして、建設工事のワークフローである「測量-設計-施工-検査」のプロセスに当社のデジタル技術や自動化技術、またネットワーク技術を提案し、DXソリューションで現場の生産性・品質の向上に貢献していきたいと考えています。

また、DXが進んだことで建設業界もデジタル技術の重要性が高まっていると感じています。よりお客さまに近いところで生産性向上に役立つ提案をしたいと思います。

地域建設業へのDX普及に向けた取り組みは

i-Constructionにより生産性向上の機運が高まりましたが、当社はメーカーとして、ただ製品を市場に供給するだけでは、建設DXは加速しないと考えました。そこで自社の施設として、白河(14年)、神戸(16年)、北九州(17年)、関東(茨城県)(18年)の4カ所に、大規模なフィールドと研修施設を持ち、「i-Construction」における各工程をトプコン最新の測量機器・ICT施工システムで体験・習得できるトレーニングセンタを開設しました。

先進的な取り組みに興味を持つ地方の地場建設業者に、ICT施工や3次元データ活用を体験してもらい、i-Constructionの「はじめの一歩」を踏み出してもらうのが目的です。ICT施工や3次元データ活用にまずは触れてもらい、活用する仲間を建設会社の皆さんとともに増やしていきたいと考えています。実際に、誰でも使える測量機として開発した『杭ナビ』(LN-150)をトレーニングセンタで体験してもらうと「こんな簡単に使えるツールがあるのか」と好評を博しています。

また、日本の公共工事の多くは地方自治体が発注しているため、各地で建設DXを推進するには地方自治体との連携も不可欠です。そこで、18年には賛同してくださった測量関連メーカーとチームを組んで、自治体とともに建設DXを推進するCONTACT(Construction Tactics Group:建設戦略会議)を立ち上げました。現在は25の自治体と連携しています。

建設業の働き方改革に加え、激甚化する災害への対応、老朽化したインフラのメンテナンスと、建設の需要は高まっています。それに対して建設業界の担い手が不足している今、現場においてはデジタル技術を活用し生産性の向上を加速させなければ、今後のインフラ維持管理にも支障をきたす恐れがあります。当社は製品供給と併せ、発注者側である自治体との連携、人材育成支援などをトータルに提供しながら、さらなるi-Constructionの普及に努めてまいります。

今回の展示会ではどのような情報を発信しますか

建設業で若手を採用している企業の多くはデジタル化が進んでいます。より建設業の魅力が伝わるよう、今回のCSPI-EXPOでは「楽コン」(「コンストラクション」から「コンスト楽ション」へ)をコンセプトに、現場で活用できるデジタルソリューションを発信します。ICTに身構えることなく「普段使い」することで、働き方やモチベーションが変化することにつながればと考えています。

ブースでは、建築工事においてエビデンスを残せる新しいデジタル施工製品も紹介します。まずはデジタル技術に触れることで新しい気づきを感じてもらえると思うので、当社のブースにぜひお越しください。