![第8回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO2026) 出展資料請求 [無料] 会期 2026年 6月 17日(水)・ 18日(木)・ 19日(金)・ 20日(土) 会場 幕張メッセ](../../common/images/logo_cspi_8th.png)
国土交通省は、2026年を「i-Construction2・0躍動の年」に位置づけ、建設現場のオートメーション化を強力に推し進めている。ICT施工StageⅡによる建設現場全体のデータ活用や自動施工など先進技術を導入するとともにAI(人工知能)でi-Construction2・0の取り組みを加速することを目指す。人とAIが協調した新たなステージに進もうとする中、廣瀬昌由国土交通省技監に建設業の将来を展望してもらった。
国交省は、省人化3割、生産性向上1・5倍を旗印に「施工」「データ連携」「施工管理」の3本柱のオートメーション化を進めています。社会全体で労働力が不足し、建設現場も厳しい状況にあるからこそ、オートメーション化を進めなければならないと痛切に感じています。26年はi-Construction2・0躍動の年に位置づけ、さまざまな施策を展開しています。
技術的な難易度の高い自動施工では、25年度に技術提案評価型SI型を適用し、山岳トンネルの自動施工の試行を開始しました。26年度も4件の発注を予定しており、技術開発が進むことを期待しています。
一方、地域建設業が取り組む現場では、工種単位で実施しているICT施工の原則化が広がっています。現在は現場全体のデータを連携して可視化し、必要な人員や資機材の配置を最適化して作業の効率化や省人化を図るICT施工StageⅡを展開しています。25年度は3月末時点で111件を試行しており、画像認識技術などが地域建設業にも広がっています。
例えば機械の稼働状況や施工履歴などのデータを活用し、ダンプトラックやバックホウの最適配置やシミュレーションによる運搬経路の最適化などさまざまな事例が確認されています。受注者のアンケートでは98%がICT施工StageⅡを「継続活用したい」と回答するほど効果が出ており、26年度から本格運用を目指すとともに好事例を横展開し、普及を図りたいと思います。
コロナ渦で発展した通信技術が遠隔臨場として定着したように、社会全体で利用が進むAIの現場実装に向けた検討を急ピッチで進めています。
私も自動運転車両に乗せてもらう機会があり、ドライバーの関与をほぼ必要としない「レベル2++」を体験したのですが、無人運転の「レベル4」のように感じるほどの技術があり、AIによる制御能力が飛躍的に発展したのだと思いました。乗用車やバスが自動運転を実用化できるなら、われわれの現場で使う建機や重機でも実現できると実感しました。
そのため、現場の最前線で重機やロボットが自律・半自律的に稼働する「フィジカルAI」に着目し、われわれの現場でも積極的に検討したいと考えています。今年2月に「建設分野のフィジカルAI活用推進WG」を立ち上げ、産学官の検討を通じて重点対象分野の整理や開発・普及の方向性などの議論を始めました。
3月には現場のニーズと技術シーズのマッチングを目的に「建設分野のフィジカルAI活用を目指したピッチイベント」を開催しました。建設会社、コンサルタント、ロボティクス企業、AI企業など104団体が参加し、情報共有や意見交換をしました。今後はテーマごとに議論を深め、具体的な取り組みを進めていきます。
建設業の高齢化が急速に進むからこそ、建機の運転などベテランの技術をデータ化してフィジカルAIで制御することが重要です。土木研究所が整備している自律施工共通基盤(OPERA)のさらなる高度化を進め、施工データを収集してAIを含む関連技術の開発を促進したいと思います。
われわれの現場力や総合力を生かし、調査、設計、施工、維持管理の各業務にAIを活用するのは大いなる挑戦です。それには人とAIがそれぞれ積極的に取り組むべき領域を認識し、AIを賢く使うことで、判断と行動を支える基盤にしなければなりません。生成AIは会話型、帳票自動作成、検査の判定補助など領域が拡大していることもあり、インフラ分野でのAIの活用を積極的に進めたいと思います。
いわゆるデジタルリテラシーやサイバーセキュリティーの問題もあり、基礎的な素養を各社が身につけることが大事だと思います。国交省ではICT施工やBIM/CIMなどを推進するデジタル人材を育成するため、自治体や地域建設業を対象にした講習会を全国の整備局で実施しています。これらの講習やCSPIのような展示会に参加し、先進技術に対して関心を持ってもらうことが重要です。
また、自動施工が普及するには、大手だけでなく中小事業者が現場実装する環境が必要です。その一環として、25年から自動施工と現場の幅広い専門知識を持つ「自動施工コーディネーター」の育成プログラムの作成を進めています。中小建設業への導入に活躍してほしいと思います。
インフラ分野のDXを取り巻く環境として、建機や情報通信技術の発展や技術革新のスピードが従来と比較できないほど加速しています。現場のオートメーション化を進めるには、スタートアップ企業をはじめ建設業界以外の分野の技術を取り入れる必要があります。最先端の技術やサービスが一堂に会するCSPIには、最新技術を使う意味や価値を発信していただき、多くの来場者が現場の改善を自分ごとにすることを期待しています。
さまざまな技術やサービスを直接見て体験できるのも重要です。そもそもAIやデジタル技術は必ずしも建設業のために開発されたものではありません。それが現場の技術とミックスされ、ICT施工StageⅡの画像認識技術のように大きな効果を発揮しています。ぜひ、そうした技術の最前線を見ていただきたいと思います。
私も昨年会場を訪れ、出展者のエネルギッシュな様子や建設DXに高い関心を持つ人たちがたくさん来場するのを目の当たりにしました。多くの人がつながって技術が普及し、生産性や安全性が向上していくことを実感しました。
担い手の確保には、一般の人たちに建設業の社会的意義や魅力を感じてもらうことが重要です。近年は高校生建設業クイズ選手権「コンストラクション甲子園」「ドボク模型グランプリ」「Minecraftカップ」など子どもや保護者世代に建設業の魅力を伝える取り組みが広がりつつあり、CSPIの一般観覧日も建設現場の最前線や最新技術を一般の人たちに直接伝える貴重な機会だと思います。土曜日に開催することで平日に来場するのが難しい人も子どもを連れて家族で参加しやすくなります。
将来を担う子どもたちが最新の機器や技術に触れ、「建設業は面白そうだ」「社会の役に立つ仕事だ」と感じるきっかけになることを大いに期待しています。産学官が連携し、子どもたちにアピールできるようウイングを広げていきたいと思います。
